所得と生活習慣等に関する状況

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 中間層の人はお酒の飲み過ぎで健康を害し、お金がない人はタバコで健康を害する。厚生労働省がまとめた健康に関する調査報告書の結果が話題となっています。以前の日本社会では、全員が同じような生活をしているという幻想がありましたが、格差の拡大や価値観の多様化でこうした考え方は成立しなくなっています。人によって生活習慣が違っていることを前提に、各種対策を講じる必要性は、今後ますます高まってくるでしょう。

 厚生労働省は、毎年「国民健康・栄養調査」を実施しています。年度ごとに重点調査項目というものが設定されているのですが、2014年は所得と生活習慣の関係性についてより詳しい調査が行われました。

 その結果、生活習慣と世帯の所得には大きな関係性があることが明らかとなりました。例えば、世帯年収600万円以上の男女の穀類の摂取量は、世帯年収200万円以下の男女よりも大幅に少なくなっています。一方、野菜の摂取量は、600万円以上の方が圧倒的に多くなっています。同様に肉類の摂取量も世帯年収が増えるにしたがって多くなる傾向が見られました。また砂糖も年収に比例しており、600万円以上の男性は、200万円未満の男性の約1.3倍も砂糖を摂取しています。

 年収が多い人は食生活のバランスは取れていますが、総じて摂取量が多めです。一方、年収が低い人はそれほど大量に摂取しているわけではありませんが、バランスが悪く穀類に偏っています。それぞれが注意すべき点は異なるわけです。

 また嗜好品の傾向にも明らかな違いが見られました。習慣的に喫煙している人の割合は男女とも年収200万円未満の方が高く(男性35.4%、女性15.3%)、年収600万円以上(男性29.2%、女性5.6%)はあまりたばこを吸わないことが分かります。一方飲酒については逆の結果が出ています。

 健康を害する可能性のあるレベルの飲酒をしている人の割合は、女性の場合年収に関わらず9%台でそれほど差はありませんでしたが、男性については年収200万円未満の人の割合は11.5%と統計的に有意なレベルで少なくなっています。ちなみに200万円から600万円の人は17%が該当しており、いわゆる中間層の人はお酒でストレスを発散しているのかもしれません。

 また歯の本数にも違いが見られます。歯が20本未満の人の割合は、年収600万以上では20.3%ですが、年収200万円未満になると33.9%に増加します。歯の健康は、内臓など他の分野への影響も大きいと言われていますから、健康支援策として歯科治療は重視すべき項目といってよいでしょう。

(The Capital Tribune Japan)
厚生労働省 調査報告書引用